私たちの恋風は、春を告げる
ちょっとぼーっとしすぎちゃったかな…
「お前ここ最近、ぼんやりしすぎじゃねぇの」
私の心の中を覗いてるかのように冬紀もそんなことを言うから、少しびっくりしちゃった…
「そ、そんなことないよ!ほら、全然元気!」
取り繕ったような笑顔をなんとか浮かべると、冬紀はそんな私を見ながら、小さくため息をついた。
「そういえば冬紀だって、今日後輩の子に呼び出されてたらしいじゃん」
「……なんで知ってんだよ」
「そりゃあ学校で一番モテモテな奴の噂なんて、一瞬で広まるしー。冬紀、自分がどんだけ人気か、いい加減自覚しなよ」
「……自覚したところでなんも嬉しくねーよ」