私たちの恋風は、春を告げる


「おはよう…」


「あら、今日は随分ギリギリじゃない。受験生は大変ね…って咲茉、あんたなんか顔色悪くない?」


「……そう?自分じゃあんまりわかんないけど」


「熱無いわよね?」


お母さんの手が、おでこに当てられる。


そんなことされるのは小学生ぶりだったから、何だか恥ずかしかった。


「もう、やめてよ。全然平気だよ?」


食欲だって全くないとか無いし。


「そう、ならいいけど…」





< 45 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop