夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
その鬼の買収部長の直属部下が葛西君のお兄さんだと聞いていた。
「知らなかったのか?ま、お前は契約社員だしな。辞令が出たのは一か月前なんだけど、本社にはここ一週間前から出社してるんだ」
「そうだったんだ。私、契約社員だから人事通達もあまり見てないし、何しろ接点もないから全く知らなかった」
「そうかもしれないな。とにかく悪いがあと一時間程度でなんとかするから先に席取って座ってろ。ひとりで始めていてもいいぞ」
「葛西君……。君は本当に学生時代から何も変わらないね。まるでうちのチョコみたい」
「はあ?」
「私の送別会なのに、なぜ先に私が行って席取りしなきゃなんないのよ」
「まあまあ……奢ってやるから適当に食べてろよ」
「了解。仕事頑張ってね」
莉愛は直属の潮見部長に最後の挨拶をしに行った。潮見部長は女性だった。
「本山さん、本当に残念だわ」
「部長、本当にお世話になりました」
「あなたのように何でもできる人はそうそういない。管理の方でもあなたを欲しがってたの」
「そうだったんですか?」
「ごめんね、本当はあっちに行きたかったんでしょ?」
「でも、あっちに行ってもやりたいことはできないと思います。正社員じゃないと無理だと入ってからわかりました」
「ごめんね。力になれなくて……」
「知らなかったのか?ま、お前は契約社員だしな。辞令が出たのは一か月前なんだけど、本社にはここ一週間前から出社してるんだ」
「そうだったんだ。私、契約社員だから人事通達もあまり見てないし、何しろ接点もないから全く知らなかった」
「そうかもしれないな。とにかく悪いがあと一時間程度でなんとかするから先に席取って座ってろ。ひとりで始めていてもいいぞ」
「葛西君……。君は本当に学生時代から何も変わらないね。まるでうちのチョコみたい」
「はあ?」
「私の送別会なのに、なぜ先に私が行って席取りしなきゃなんないのよ」
「まあまあ……奢ってやるから適当に食べてろよ」
「了解。仕事頑張ってね」
莉愛は直属の潮見部長に最後の挨拶をしに行った。潮見部長は女性だった。
「本山さん、本当に残念だわ」
「部長、本当にお世話になりました」
「あなたのように何でもできる人はそうそういない。管理の方でもあなたを欲しがってたの」
「そうだったんですか?」
「ごめんね、本当はあっちに行きたかったんでしょ?」
「でも、あっちに行ってもやりたいことはできないと思います。正社員じゃないと無理だと入ってからわかりました」
「ごめんね。力になれなくて……」