夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
「八つ当たりしてごめんなさい。葛西君を利用して入社したのは私だよ。葛西君は悪くない。だって……実家の抹茶を使ったお菓子を大好きなチョコのこの会社で作りたかっただけなんだもん。どうして抹茶チョコって甘いのしかないんだろうね、甘くない抹茶の菓子を作りたかった」
「何言ってんだよ、お前……言ってることがぐちゃぐちゃだぞ。酔ってんのか?」
「抹茶はお茶席の時、甘味と別で出される。チョコと抹茶を混ぜたり、小豆と抹茶を混ぜたり、私は好きじゃない。抹茶の苦味の中にある甘さを感じられなくなるから。ね、これを見て、葛西君」
莉愛はカバンの中から小さなスケッチブックを出した。そしてそれを葛西に見せた。
「うわ、なにこれ……え、もしかして……」
そこには莉愛の考えてきたお茶をメインにした菓子の案と絵が描いてあった。
「葛西君には、四年間お世話になったから……特別に見せてあげる。私の夢よ」
「うわー、すごい。何、これ?もしかして全部菓子の絵?」
ぱらぱらとスケッチブックをめくっている。
「そうよ、千堂製菓で私はこういうお茶を使った菓子を作りたかったの」
「そうだよな、そう言えば、最初そう言ってたな……ごめん、俺すっかり忘れてた」
「あのね、私の考えている新しいお茶菓子は子供も買えて、本格的なお茶に触れる菓子。ただし、お茶は菓子に混ぜない。絶対お茶へ甘味料を入れたくない。今主流のお茶の味が入った菓子って甘いでしょ。お茶本来の苦みの中にある甘味がわからなくなるの」
花柄のお菓子。甘くない濃茶が入ったクッキーと甘いチョコの練りこまれたクッキー生地が花びら状に並んでいる。
交互に食べてもらう。食べ方も横に書いてあるのだ。
「何言ってんだよ、お前……言ってることがぐちゃぐちゃだぞ。酔ってんのか?」
「抹茶はお茶席の時、甘味と別で出される。チョコと抹茶を混ぜたり、小豆と抹茶を混ぜたり、私は好きじゃない。抹茶の苦味の中にある甘さを感じられなくなるから。ね、これを見て、葛西君」
莉愛はカバンの中から小さなスケッチブックを出した。そしてそれを葛西に見せた。
「うわ、なにこれ……え、もしかして……」
そこには莉愛の考えてきたお茶をメインにした菓子の案と絵が描いてあった。
「葛西君には、四年間お世話になったから……特別に見せてあげる。私の夢よ」
「うわー、すごい。何、これ?もしかして全部菓子の絵?」
ぱらぱらとスケッチブックをめくっている。
「そうよ、千堂製菓で私はこういうお茶を使った菓子を作りたかったの」
「そうだよな、そう言えば、最初そう言ってたな……ごめん、俺すっかり忘れてた」
「あのね、私の考えている新しいお茶菓子は子供も買えて、本格的なお茶に触れる菓子。ただし、お茶は菓子に混ぜない。絶対お茶へ甘味料を入れたくない。今主流のお茶の味が入った菓子って甘いでしょ。お茶本来の苦みの中にある甘味がわからなくなるの」
花柄のお菓子。甘くない濃茶が入ったクッキーと甘いチョコの練りこまれたクッキー生地が花びら状に並んでいる。
交互に食べてもらう。食べ方も横に書いてあるのだ。