夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
「具合が悪いんですよね?顔を赤くして肩で息をしているし、いつもと違うからすぐにわかりました。あ、そんな顔しないで……怪しいものじゃありません。あなたのことは最近いつも同じ車両で見かけていたから知っていただけです。それに同じ駅で降りるから……それだけです。あの、大丈夫ですか?」
「ああ……ありがとう……」
彼はやっと警戒心を解いたのか、下を向いて座った。
莉愛はお弁当を入れている小さなバックを開けて、中から保冷剤を出した。
そして自分のハンカチにそれを包んで彼のおでこにあてた。
彼はびくっとして、莉愛を見上げた。
ハンカチを抑えている莉愛に気づいて、自分でそのハンカチを抑えた。
莉愛は手を離した。すると、彼はふうッと息を吐いた。
「お弁当用の保冷剤でごめんなさい。ハンカチに包んだから痛くはないかなと思って……。顔が赤いからきっと熱がありますよ。冷やした方が楽かなと思って……こんなのしかなくてごめんなさい」
「いや、色々とありがとう。冷たくて……気持ちがいいよ」
「少しでも楽になったならよかったです。この後どうしますか?私は会社へ行かないといけないんですけど……」
「ああ、少し休んだら僕も行くから気にしなくていい。この後は車で迎えがきているんだ」
「そうだったんですね。それなら大丈夫かな。じゃあ……お先に失礼します。どうぞお大事に」
「君、これを返さないと……」
彼はハンカチに包まれた保冷剤を見せた。
「ああ……ありがとう……」
彼はやっと警戒心を解いたのか、下を向いて座った。
莉愛はお弁当を入れている小さなバックを開けて、中から保冷剤を出した。
そして自分のハンカチにそれを包んで彼のおでこにあてた。
彼はびくっとして、莉愛を見上げた。
ハンカチを抑えている莉愛に気づいて、自分でそのハンカチを抑えた。
莉愛は手を離した。すると、彼はふうッと息を吐いた。
「お弁当用の保冷剤でごめんなさい。ハンカチに包んだから痛くはないかなと思って……。顔が赤いからきっと熱がありますよ。冷やした方が楽かなと思って……こんなのしかなくてごめんなさい」
「いや、色々とありがとう。冷たくて……気持ちがいいよ」
「少しでも楽になったならよかったです。この後どうしますか?私は会社へ行かないといけないんですけど……」
「ああ、少し休んだら僕も行くから気にしなくていい。この後は車で迎えがきているんだ」
「そうだったんですね。それなら大丈夫かな。じゃあ……お先に失礼します。どうぞお大事に」
「君、これを返さないと……」
彼はハンカチに包まれた保冷剤を見せた。