夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
「兄さん、本山の家は抹茶屋さんだ」
「違うよ、何度言ったらわかるの。抹茶だけじゃないよ、お茶問屋だよ」
修二は尚人を指さして面白そうに笑いだした。
「くくく……尚人はこうやっていっつも学生時代から彼女に注意されてきたんだろ。目に浮かぶわ」
「兄貴、黙れ!」
「ふーん。それでさっきの話に繋がるわけだな」
祐樹が言った。
「……」
莉愛は黙った。
「さっき面白いことを話していただろ。お茶と商品について……あれ、何か見ながら話してたよな」
莉愛はよく知りもしない人にスケッチブックは見せたくなかった。葛西にだって初めて見せたくらいだ。
「二人でここの真後ろでたまたま食事してたんだよ。祐樹は尚人に気づいてすぐに混ざろうと言ったんだけどさ、兄として尚人の邪魔したらかわいそうだと思ってね。わざと声をかけないでいたんだよ。俺は弟想いなんだ」
「だから、それが余計なお世話なんだよ。兄さんは余計なことを言いすぎる!」
真っ赤になった尚人がわめいた。
「……特に面白い話なんてしてません」
莉愛が不機嫌につぶやいた。
「違うよ、何度言ったらわかるの。抹茶だけじゃないよ、お茶問屋だよ」
修二は尚人を指さして面白そうに笑いだした。
「くくく……尚人はこうやっていっつも学生時代から彼女に注意されてきたんだろ。目に浮かぶわ」
「兄貴、黙れ!」
「ふーん。それでさっきの話に繋がるわけだな」
祐樹が言った。
「……」
莉愛は黙った。
「さっき面白いことを話していただろ。お茶と商品について……あれ、何か見ながら話してたよな」
莉愛はよく知りもしない人にスケッチブックは見せたくなかった。葛西にだって初めて見せたくらいだ。
「二人でここの真後ろでたまたま食事してたんだよ。祐樹は尚人に気づいてすぐに混ざろうと言ったんだけどさ、兄として尚人の邪魔したらかわいそうだと思ってね。わざと声をかけないでいたんだよ。俺は弟想いなんだ」
「だから、それが余計なお世話なんだよ。兄さんは余計なことを言いすぎる!」
真っ赤になった尚人がわめいた。
「……特に面白い話なんてしてません」
莉愛が不機嫌につぶやいた。