夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
「確かにそうかもな。僕は久しぶりの日本だったし、つい電車に乗ってみたくなってね。最近の日本を観察したかったんだ、色々と……でもわかったのは通勤ラッシュで観察は無理だということだけだった」
「それはそうでしょう、祐樹さんって面白いですね」
祐樹は驚いて莉愛を見た。
「面白い?そんなこと言われたのは初めてだな。でも、君だからこんなことまで話したのかもしれないな」
「え?」
「君だって面白いぞ。潮見さんの下に契約社員で入っておきながら、商品開発の夢は結構突拍子もないだろう」
祐樹はずばりと言った。その通りだ。
「確かにその通りです。私、会社ってどういうものかわかっていなかったんです。恥ずかしいですね。本当にちょっと馬鹿なんです」
「馬鹿ではないぞ。あのスケッチブックを見たらわかる。夢を持つのはいいことだし、正社員になっていたらどうなっていたかわからない。それで、君は戻っていずれお茶問屋を継ぐのか?」
「それは……」
「ごめん、聞いたらいけなかったか……」
「あ、いえ……経営状態が最近良くなくて、父は他のお茶屋さんの傘下に入るか実は迷っているんです」
「ほう。まあ、よくある話だな」
「私はこの会社へいる間に、うちの抹茶を使った新しいお菓子を提案したかった。お茶の二次活用で新しい販路を開きたかったんです」
「そういうことか……夢もそうだが、君は少しでも実家を助けたかったんだろう?」
莉愛はその言葉に安心して、なぜか彼になら思ってきたことを言ってもいい気がした。
そしてつい胸の中にしまっていたことを話してしまった。
「それはそうでしょう、祐樹さんって面白いですね」
祐樹は驚いて莉愛を見た。
「面白い?そんなこと言われたのは初めてだな。でも、君だからこんなことまで話したのかもしれないな」
「え?」
「君だって面白いぞ。潮見さんの下に契約社員で入っておきながら、商品開発の夢は結構突拍子もないだろう」
祐樹はずばりと言った。その通りだ。
「確かにその通りです。私、会社ってどういうものかわかっていなかったんです。恥ずかしいですね。本当にちょっと馬鹿なんです」
「馬鹿ではないぞ。あのスケッチブックを見たらわかる。夢を持つのはいいことだし、正社員になっていたらどうなっていたかわからない。それで、君は戻っていずれお茶問屋を継ぐのか?」
「それは……」
「ごめん、聞いたらいけなかったか……」
「あ、いえ……経営状態が最近良くなくて、父は他のお茶屋さんの傘下に入るか実は迷っているんです」
「ほう。まあ、よくある話だな」
「私はこの会社へいる間に、うちの抹茶を使った新しいお菓子を提案したかった。お茶の二次活用で新しい販路を開きたかったんです」
「そういうことか……夢もそうだが、君は少しでも実家を助けたかったんだろう?」
莉愛はその言葉に安心して、なぜか彼になら思ってきたことを言ってもいい気がした。
そしてつい胸の中にしまっていたことを話してしまった。