夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
「わかった。すぐに戻るけど、30分くらいはかかるよ。それでも待てるなら……」
「いや、経営のことで話すことはたくさんあるから大丈夫だと思うが、お前も聞きたいことがあるならここで聞いたほうがいいかもしれないぞ。見合いの場はあちらの社長もいらっしゃるだろうし……」
「うん。わかった」
「じゃあ、気をつけて戻れ」
祐樹は電話を切った莉愛を頬杖をついて見ていた。
「すみません、祐樹さん。戻らないといけなくなりました。花邑さんが私の顔を見るために訪ねてきているそうなんです」
「そうなんだ。よほど、君にご執心なんだな。気を引きたくてしょうがないんだろう……そうだな、ここは僕も一緒に行こう」
「一緒に行く?え?」
「あのさ。言っておくけどね、君のことはもう僕が予約済みなんだよ。勝手に正社員になるのを辞退するとか、夢を諦めるとか許さない」
莉愛は息をのんだ。思いもしない言葉だった。頭を殴られたような衝撃だった。
「祐樹さん……」
「もう君の夢は僕の夢でもある。お茶を海外に広め、うちで唯一無二のお茶をベースにした菓子を作るんだ」
祐樹は真剣な目をして莉愛を見て言った。莉愛は嬉しかった。そしてつい、言ってしまった。
「やりたい!私だって……あなたと一緒に夢を実現したい!」
「よし。じゃあやるしかないな。僕も君を逃すわけにはいかないから、ここは立候補するよ」
「何の立候補?」
「もちろん、君の政略結婚の相手だ。当事者である君は、もちろん僕を応援してくれるよな」
「いや、経営のことで話すことはたくさんあるから大丈夫だと思うが、お前も聞きたいことがあるならここで聞いたほうがいいかもしれないぞ。見合いの場はあちらの社長もいらっしゃるだろうし……」
「うん。わかった」
「じゃあ、気をつけて戻れ」
祐樹は電話を切った莉愛を頬杖をついて見ていた。
「すみません、祐樹さん。戻らないといけなくなりました。花邑さんが私の顔を見るために訪ねてきているそうなんです」
「そうなんだ。よほど、君にご執心なんだな。気を引きたくてしょうがないんだろう……そうだな、ここは僕も一緒に行こう」
「一緒に行く?え?」
「あのさ。言っておくけどね、君のことはもう僕が予約済みなんだよ。勝手に正社員になるのを辞退するとか、夢を諦めるとか許さない」
莉愛は息をのんだ。思いもしない言葉だった。頭を殴られたような衝撃だった。
「祐樹さん……」
「もう君の夢は僕の夢でもある。お茶を海外に広め、うちで唯一無二のお茶をベースにした菓子を作るんだ」
祐樹は真剣な目をして莉愛を見て言った。莉愛は嬉しかった。そしてつい、言ってしまった。
「やりたい!私だって……あなたと一緒に夢を実現したい!」
「よし。じゃあやるしかないな。僕も君を逃すわけにはいかないから、ここは立候補するよ」
「何の立候補?」
「もちろん、君の政略結婚の相手だ。当事者である君は、もちろん僕を応援してくれるよな」