夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
最終日の出会い2
莉愛がフロアへ入ると部長の朝礼が始まっていた。
「遅れてすみません……」
営業部の潮見部長がこちらを見て頷いた。管理部門の部長が話し出した。
「おはようございます。今日から新しい商品がかなり入ることになります。海外事業部で買収した会社の商品です。管理部門の皆さんはできるだけ今日中に登録を終えるよう張り切って仕事をしてください。ちなみに商品数は800と聞いています」
「「えー!」」
皆が顔を見合わせて渋い顔をした。それもそのはず、その数だと残業は確定だ。営業部門の潮見部長も続けた。
「おはようございます。営業のほうですが、以前の打ち合わせで決めていた通り、今日から営業先へその新しい商品をどこにどのくらい卸すのかレクチャーを開始します。わからないことや質問されたことはきちんと調べてから対応してください」
ここ、国内事業部は管理部門と営業部門に分かれているが、朝礼は一緒で相互に連携を図っている。
莉愛は入社時に管理開発部門を希望していたが、今は営業を必要としていると入社時に言われて営業へ回された。
だが、契約社員はあちこちで人手が足りないと仕事を頼まれたりして、結局管理部門の手伝いもしていた。
実は、莉愛が家業を手伝って仕事をしていた時は、事務だけじゃなく営業も、もちろん店舗での販売もやらざる負えない状況だった。そのせいか、莉愛はパソコンも使えるし、接客も出来る。
つまり、莉愛は契約社員ながら、何をしてもそこそこできてしまい、営業、管理両方の部門から重宝がられた。
でも彼女の本当の入社目的は結局果たせずに終わりそうだった。
莉愛はこの菓子会社で、家業で作っている抹茶を使った菓子を作って提案したかった。幼少からなじんだ大好きな抹茶にお茶席以外の新しい道を作りたかったのだ。
「遅れてすみません……」
営業部の潮見部長がこちらを見て頷いた。管理部門の部長が話し出した。
「おはようございます。今日から新しい商品がかなり入ることになります。海外事業部で買収した会社の商品です。管理部門の皆さんはできるだけ今日中に登録を終えるよう張り切って仕事をしてください。ちなみに商品数は800と聞いています」
「「えー!」」
皆が顔を見合わせて渋い顔をした。それもそのはず、その数だと残業は確定だ。営業部門の潮見部長も続けた。
「おはようございます。営業のほうですが、以前の打ち合わせで決めていた通り、今日から営業先へその新しい商品をどこにどのくらい卸すのかレクチャーを開始します。わからないことや質問されたことはきちんと調べてから対応してください」
ここ、国内事業部は管理部門と営業部門に分かれているが、朝礼は一緒で相互に連携を図っている。
莉愛は入社時に管理開発部門を希望していたが、今は営業を必要としていると入社時に言われて営業へ回された。
だが、契約社員はあちこちで人手が足りないと仕事を頼まれたりして、結局管理部門の手伝いもしていた。
実は、莉愛が家業を手伝って仕事をしていた時は、事務だけじゃなく営業も、もちろん店舗での販売もやらざる負えない状況だった。そのせいか、莉愛はパソコンも使えるし、接客も出来る。
つまり、莉愛は契約社員ながら、何をしてもそこそこできてしまい、営業、管理両方の部門から重宝がられた。
でも彼女の本当の入社目的は結局果たせずに終わりそうだった。
莉愛はこの菓子会社で、家業で作っている抹茶を使った菓子を作って提案したかった。幼少からなじんだ大好きな抹茶にお茶席以外の新しい道を作りたかったのだ。