夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
「どうしてそんな大事なことを黙ってたんですか?私、そんな大事なことを隠しているような人と結婚したくありません。マウントを取ってやな感じ……」
莉愛は頭に来てプイっと横を向いた。すると、ひと呼吸おいて祐樹が言い返した。
「は?君をあいつから救ってあげたのに、ひどい言い方だな。スマートなやり方じゃなかったことは認める。もう少し時間があれば、穏便なやり方もあったけどね。でもしょうがないだろ。急だったし、こうでもしないと君はあいつのものになってしまう」
戻ってきた莉愛の父は祐樹さんの前に座った。
祐樹は黙って莉愛の父に深く頭を下げ、そして無礼を詫びた。その後、まずは莉愛に話した正社員への誘いについて説明をはじめたのだった。
☆ ☆ ☆
「莉愛さんのお茶の深い知識を海外向けのお茶を使った菓子の製品開発に生かしていきたいんです。彼女はうちにいた時からそういう夢があって、僕はそれに共感しました。最初はそこからだったんです」
莉愛の両親は驚いたように顔を見合わせた。そして莉愛を見て嬉しそうに笑った。
「莉愛、よかったな。理解してくださる方がいて……」
「……」
ふくれっつらの莉愛を横目に祐樹はつづけた。
「サエキ商事は農産物や食品専門の商社です。しかしまだお茶の取引をしていない。いずれ参入する予定だったからこそ、花邑の話を聞いたと佐伯の父からは聞いていました」
「うちは昔カフェもやっていたんです。取引していた会社がサエキ商事から商品を入れていると言っていたので知っていました」
「ここだけの話ですが、僕はいずれあちらへ移ることになるでしょう。そうなればお茶の取引は僕が管轄するつもりです」
「海外向けということですか?」
莉愛は頭に来てプイっと横を向いた。すると、ひと呼吸おいて祐樹が言い返した。
「は?君をあいつから救ってあげたのに、ひどい言い方だな。スマートなやり方じゃなかったことは認める。もう少し時間があれば、穏便なやり方もあったけどね。でもしょうがないだろ。急だったし、こうでもしないと君はあいつのものになってしまう」
戻ってきた莉愛の父は祐樹さんの前に座った。
祐樹は黙って莉愛の父に深く頭を下げ、そして無礼を詫びた。その後、まずは莉愛に話した正社員への誘いについて説明をはじめたのだった。
☆ ☆ ☆
「莉愛さんのお茶の深い知識を海外向けのお茶を使った菓子の製品開発に生かしていきたいんです。彼女はうちにいた時からそういう夢があって、僕はそれに共感しました。最初はそこからだったんです」
莉愛の両親は驚いたように顔を見合わせた。そして莉愛を見て嬉しそうに笑った。
「莉愛、よかったな。理解してくださる方がいて……」
「……」
ふくれっつらの莉愛を横目に祐樹はつづけた。
「サエキ商事は農産物や食品専門の商社です。しかしまだお茶の取引をしていない。いずれ参入する予定だったからこそ、花邑の話を聞いたと佐伯の父からは聞いていました」
「うちは昔カフェもやっていたんです。取引していた会社がサエキ商事から商品を入れていると言っていたので知っていました」
「ここだけの話ですが、僕はいずれあちらへ移ることになるでしょう。そうなればお茶の取引は僕が管轄するつもりです」
「海外向けということですか?」