夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
「色々と確かに説明が足りていませんでした。プロポーズをこんな形でするなんて自分でも想像外でした。彼女を誰かに取られたくなくて言ってしまいました。ここへ来る前、彼女は結婚に同意してくれてました。でも、僕の素性を知ってあっさり見切られたようです」
「見切るって、見切るのは祐樹さんでしょ?身分違いじゃない……」
「身分違いって何時代だ?僕には全く関係ない話だな。君の家もうちのことも君と結婚したいということに何ら関係ない」
莉愛の父は二人を見比べて、隣の妻の顔を見た。そして妻は夫に頷いた。
「佐伯さんの言う通りなら、花邑は今回の政略結婚を破棄してくるでしょう。私も変な話覚悟ができました。もし、うちを畳むことになったとしても、莉愛を人質のように意にそわない結婚をさせることはしたくない」
「お父さん……」
「莉愛ごめんな。お前は佐伯さんなら結婚してもいいと思ったから連れてきたんだろう?」
「そ、それは……彼が御曹司だと知らなかったから……本当に祐樹さんには驚かされて、振り回されてばかりよ」
「言っておくが驚かされて、振り回されてるのはこっちだぞ。いきなり縁談があるから就職も待ってくれとか、人の苦労も知らずに言い出したのはどこの誰だったかな」
祐樹と莉愛はお互いにらみ合ってぷんっと横を向いた。
莉愛の父はまあ、まあ、とふたりを見ながらなだめ始めた。
「莉愛……佐伯さんに助けられたことは確かだ。佐伯さん、落ち着いてから先ほどのご提案前向きに相談させてください。まずは家のことより、莉愛と仲直りをしてください。莉愛、父さんのためにも佐伯さんと仲直りしてくれ」
「お父さんはサエキ商事に行ったほうがいいんじゃない?」
「おい、莉愛。失礼だぞ。すみません、佐伯さん……」
「いえ、まずは花邑の出方をみましょう」
「見切るって、見切るのは祐樹さんでしょ?身分違いじゃない……」
「身分違いって何時代だ?僕には全く関係ない話だな。君の家もうちのことも君と結婚したいということに何ら関係ない」
莉愛の父は二人を見比べて、隣の妻の顔を見た。そして妻は夫に頷いた。
「佐伯さんの言う通りなら、花邑は今回の政略結婚を破棄してくるでしょう。私も変な話覚悟ができました。もし、うちを畳むことになったとしても、莉愛を人質のように意にそわない結婚をさせることはしたくない」
「お父さん……」
「莉愛ごめんな。お前は佐伯さんなら結婚してもいいと思ったから連れてきたんだろう?」
「そ、それは……彼が御曹司だと知らなかったから……本当に祐樹さんには驚かされて、振り回されてばかりよ」
「言っておくが驚かされて、振り回されてるのはこっちだぞ。いきなり縁談があるから就職も待ってくれとか、人の苦労も知らずに言い出したのはどこの誰だったかな」
祐樹と莉愛はお互いにらみ合ってぷんっと横を向いた。
莉愛の父はまあ、まあ、とふたりを見ながらなだめ始めた。
「莉愛……佐伯さんに助けられたことは確かだ。佐伯さん、落ち着いてから先ほどのご提案前向きに相談させてください。まずは家のことより、莉愛と仲直りをしてください。莉愛、父さんのためにも佐伯さんと仲直りしてくれ」
「お父さんはサエキ商事に行ったほうがいいんじゃない?」
「おい、莉愛。失礼だぞ。すみません、佐伯さん……」
「いえ、まずは花邑の出方をみましょう」