もっと、キミと


「クラスの子に、私達がトイレに行った後……美華ちゃんが出てきたのを見た子がいて。その子、私達の話も聞いてて。怒られたんだよね」


「え……?」


「友達なのに、一緒に言われるのが嫌っておかしいでしょって。その子に言われて変わるのもおかしいけど、たしかにって思ったの。私達、友達なのにね……」


胡桃ちゃんが、涙声になりながら私をじっと見つめて言った。


その声と苦しそうな表情を見て、私も泣きそうになった。


同時に、クラスの中には既に味方でいてくれた子がいたことを嬉しく思った。


ーーリセットしなくて、良かった。


心の底から、そう思えた。


その後、私も二人に謝り仲直りすることができた。


周囲のことが気になっていたけれど、仲良くなくても私の事を悪く言う子の方が少ない事に気づけて、前よりも思ってる事を言えるようになった。


男子達から嫌なことを言われることもなくなり、この後の中学校生活は、ガラリと楽しい日々へと変貌した。


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