もっと、キミと



「もう戻ろ。美華が帰ってきてるかもしれないし」


嫌な思い出で頭がいっぱいになっていると、穂花ちゃんがそう言って胡桃ちゃんとトイレを後にした。


彼女達の声が遠くなってから、ゆっくりとトイレのドアを開けた。


ーー私って、友達だと思っていた二人にも迷惑をかけていたんだ。


家でも兄の邪魔にならないようにして、学校でも友達に迷惑をかけないように……って。


これじゃあ、まるで私は……何のために生きているんだろう。


他の人が、私に迷惑をかけるのはよくても、私が他の人に迷惑をかけるのはダメなんだよね。


私ってーー。


あ、ダメだ。


辛くて、涙が出そうになる。


でも、一度考えたらマイナスな感情は、決してプラスにはならない。


ーーもしかしたら、今日がリセット(・・・・)すべき日なのかもしれない。


こんな辛い日々を送る度に、頭の中に何度も浮かんだことがある。


人生をやり直すという選択があるのではないかということ。


その選択の方法というのが、新たな生命に未来を託すこと。


そのために、今の人生を終わらせること。


人生を終わらせるなら、自分の一番嫌いな場所がベストだろう。


悶々とした気持ちで、私の足は自然と屋上に向かっていた。


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