もっと、キミと
「キミの時間をキミだけのものにしないで。僕と共有して欲しい……っていうと、分かりやすいかな?」
「それって」
まるで、告白のようなーーそんなことを思っていたら、バン!と勢いよく屋上の扉が開いた。
「さーくーらーくーん!」
長いしなやかな髪。
白衣をまとい、口元のほくろはセクシーさを際立たせている。
二十代半ばくらいで美人と有名な保健室の間宮先生だ。
保健室へ行ったことはほとんどなく、彼女はおしとやかで品のある大人な女性だと思っていた。
今のように、こめかみにピキピキと血管を浮かび上がらせて大きな声を出すとは思わなかった。
「……げ。間宮先生」
「げ、じゃないでしょ。……あら、あなたは?」
腰に手を当て、怒っている最中で私の事に気付いたようできょとんとした顔で首を傾げていた。
「あ、え、えと……私はーー」
「もう授業始まってるでしょ? 素行不良は、そこの佐倉くんだけで十分よ。早く教室へ戻りなさい」
まだ昼休みだと思っていたが、もう授業が始まっていたようだ。
「あ……す、すみません……。すぐ、授業に戻ります」
先生に注意されると、反抗などできずすぐに立ち上がった。