もっと、キミと
「そもそも、なんだ保健室登校って! そんなのただ逃げてるだけ! 子ども同士、仲良くもあり、喧嘩もする! そして成長するんだ!」
「そんな古い考え、いつまで持ってるんですか! 今、令和ですよ!?」
お互いに睨み合い、剣幕にビックリしていたら担任の視線がふとこちらに向いた。
「白鳥。お前、ここで保健室登校なんかしたらこの先一生、逃げて生きるハメになるぞ?」
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべ、まるで私の将来が悪い方に進んでいることを見透かしているように言った。
「えっ……」
ドクン、ドクンと心臓の音が速くなり、不安が煽られた。
「ちょっと、なんてこと言うんですか! 白鳥さん、そんなことないからね!?」
間宮先生が私の前に立ち塞がるが、先生の細い体の後ろに隠れても、担任からの視線から逃げることはできなかった。
私、逃げてるだけ……。
そう、だよね。
間宮先生や佐倉くんが、ちょっと優しくしてくれたからって、私は何を勘違いしていたんだろう。
私、私っーー。
きゅっと目をつむり、唇を噛み締めていると最後のトドメと言わんばかりに担任が口を開いた。