もっと、キミと
「ご、ごめんなさい……」
迷惑をかけないように細心の注意を払ってきたのに、こんなことになってしまうなんて。
母を前にすると、萎縮して謝ることしかできなかった。
そんな私に、大きくため息を吐くと母はまた口を開いた。
「それと……保健室登校でしたっけ? 娘は来年受験です。今の時期からしっかり勉強する習慣を身につけないといけませんから、すぐに通常のクラスに戻して下さい」
捲し立てるように言われ、私はパッと母の方を向いた。
担任は、母が自分と同じ意見だということを知るとニマニマと笑っている。
私が口を開くより先に、間宮先生が立ち上がった。
「お母さん、待って下さい! 保健室登校というのは、自分のクラスへ行かないだけで、勉強はしっかりとしています!」
「あら、あなた……どなた? 担任の先生は、そちらの方よね?」
間宮先生に対し、明らかに不機嫌な表情を浮かべる母。
それに便乗し、担任も口を開いた。
「彼女は、養護教諭なんです。私も保健室登校には反対なんですけど、どういうわけか首を突っ込んできて……お手上げだったんですよ」
と、愚痴っぽく母に告げ口をした。