もっと、キミと



「ちょっ……男子、やめな〜?」


先ほど、私に挨拶をしてくれた子が止めに入った。


しかし、彼女の顔もニヤニヤと笑っていた。


……まぁ、友達じゃないし、そういう反応するよね。


人のことを平気でブスとか呪いとかキモいとか……散々である。


そんなことを言われても、私は何も言えずに悔しい気持ちでいっぱいになりながら席に着いた。


最初の頃は、反論していた。


しかし、そういう反応は相手を喜ばせるだけで私への嫌がらせはエスカレートした。


「はぁ……」とまた深いため息を吐いた。


席に座り、荷物を片付けていると、机に二つの人影が映った。


「美華、おはよう」


「おはよー」


友人の岡本 胡桃と小倉 穂花だ。


二人とは、小学生の頃からの付き合いで中学一年生の時も同じクラスで1番の仲良し。


「胡桃ちゃん、穂花ちゃん。おはよ」


「……美華、大丈夫?」


二人は関係ないから明るく接しないとと思っていたのだが、胡桃ちゃんには無理をしていることがバレてしまった。


まるで、自分が先ほどのことをされたかのような悲しい顔をしている。


「ほんとあり得ない。男子のことなんて、気にしなくて大丈夫だからね?」


穂花ちゃんは、自分のことのように怒ってくれる。


唯一、この二人といる時だけは心が軽くなる。


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