もっと、キミと
ドキ?
☆☆☆
翌日。
何だかいつもよりほんの少し、胸を張って歩いている気がした。
今まで、容姿と名前が合っていないことがコンプレックスだったけど、私はまだ成長途中。
美しく、人を惹きつける輝きのある成功した人生を歩めるようにという意味が込められているなんて、聞くまで知らなかった。
名前が合っていないと思うのではなく、私も名前に合う人になれるようこれから先の人生歩んでいこうとポジティブに捉えられた。
……でも。
昨日、泣いちゃったし、感情的になっちゃった。
樹くんや間宮先生の前に行くの、なんだが恥ずかしいな。
胸を張って廊下を歩いたものの、保健室の扉の前で緊張してしまい、立ち尽くしてしまった。
……二人は味方だって言ってくれたけれど、気まずい。
「おはよー。何してんの、早く入れば良いのに」
扉の前でウジウジと悩んでいると、後ろからぶっきらぼうに声をかけられ、ピクッと肩が跳ね上がった。
「た、樹くん……おはよう」
「ほら。早く早く」
そう言われると、後ろから彼が腕を伸ばして保健室の扉を開けた。
「おはようございまーす」
「おはよう。佐倉くん……白鳥さん。昨日、お母さんから連絡を頂いたわ。これからも、よろしくね」
中にいた間宮先生が、私を見てとても嬉しそうな顔をしてくれた。