もっと、キミと
03

一人ぼっち



☆☆☆


七月上旬。


期末テストを終え、廊下からは夏休みを今か今かと待つ楽しそうな声が聞こえた。


いつもなら樹くんの方が早く来てるのに、今日は私だけが空き教室にいた。


二つ並んでる机が、何だか余計に寂しくなった。


「私だって……」


樹くんに色々聞きたい。


保健室登校は、補習があるのかとか、登校日はあるのかとか。


あと、夏休みはどう過ごすのかとか、花火大会とか海に行ったりするのか、とか。


それと……これは、本当にオマケみたいなことだけどもし、都合が合えば一緒に行けたりしないのかな、とか。


誘ってくれないかな、って期待してる私がいる。


そんなことを考えていると、ガラッと教室の扉が開いた。


「お、おはよ……あっ」


樹くんだと思ったら、間宮先生だった。


間違えたことが恥ずかしくて、顔が少し熱くなった。


「おはよう。早速だけど、今日は座学はしないわ」


「へ……?」


「帰る準備もしておいて。そこへ行って、そのまま帰るから」


頭にははてなマークばかりが浮かんだ。


一体、何の話をしているのだろう。


「課外授業……ってことですか? あの、一体どこへ……?」


「病院よ。西山総合病院」


職業体験、ということだろうか。


一年生の時に、一週間くらい行ったことがある。


でも、二年生でもあるなんて。



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