もっと、キミと
「美華ちゃんと一緒にいると、私達まで迷惑じゃない? この前、男子に私もちょっかいかけられたもん」
「マジ? ウザい男子のダル絡みとか耐えられないんだけど。ウジウジしてくらーい美華も面倒だしさぁ……」
二人の口から次々と私への悪口が続く。
その度に、胸が締め付けられるようで苦しかった。
私を慰めてくれて、優しくしてくれていた二人にそんな風に思われていたとは思わなかった。
「美華って、マジで陰気くさくなったよね。一年の時だっけ? 他校の女子達が言ったことが原因だったよね」
胡桃ちゃんが言っているのは、一年生の時の出来事。
私が通っている中学校は、同じ地域の三つの小学校に通っていた者が通うようになる。
最初は、どんな子がクラスにいるのかとか、友達が増えたら良いなとか、明るく楽しくなるであろう中学校生活に胸を膨らませていた。
実際、小学校を卒業するまではクラスメイトとの仲は良好で楽しかった。
それが変わったのは、一年生の時に新しいクラスで自己紹介をした時。
みんなの前で自分の名前を黒板に書いてから、自己紹介をしたのだ。
前の子達がどんな風に自己紹介をするのかを見て、私の番になり、緊張したけれど、みんなと同じようにしたつもりだった。