もっと、キミと
☆☆☆
二日後。
私は、病院近くの葬儀場に母と間宮先生と来た。
二日前、樹くんの異変に気付いたものの、どうしたら良いのか分からなくて数分後に病室へ見舞いに来た樹くんのお母さんに泣きついた。
お母さんも動揺しながらではあるけれど、ナースコールを押してその後、看護師さんや病院の先生が入れ替わり立ち替わりで入ってきた。
どうなったのか、何が起こったのか分からなかったが、親戚でも何でもない私は家に帰らされた。
母の許可なく外泊をした私は、家に帰ってからこっぴどく叱られた。
そして、現在。
樹くんが亡くなって葬儀を行うからと彼のお母さんから連絡があって三人でここへ来た。
棺に入ってる彼に、みんなが花を持って別れの挨拶をする。
「可哀想に。まだ十四歳でしょ?」
「癌を患っていたそうだ。これからだっていうのになぁ」
大人達が、彼を惜しく思う声が聞こえる。
それでも、私は彼が亡くなったという事実を受け止められなかった。
棺の中に花を入れ、彼の顔を見ても今にも起きそうな綺麗な顔をしている。
樹くんは、本当にもう目を覚まさないの?
あと少しでも待っていたら、いつもみたいに笑ってくれるんじゃないかって期待をした。