もっと、キミと
樹side
☆☆☆
美華ちゃんへ。
この手紙を読んでいるという事は、僕はもうこの世にいないのでしょう。
なんて、まるで泣けるドラマでよくある手紙のようだからやめます。
でも、本当に僕はもうこの世にいないよね。
母さんに、何度も僕が亡くなってから美華ちゃんに渡したってお願いしたから。
いつも、キミを見たらふざけた事ばかり言ってしまうけど、目の前じゃないからちゃんと伝えられると思うんだ。
まず、美華ちゃんに嘘をついていたことが二つある。
一つ目は、僕と美華ちゃんの初対面は屋上じゃないんだ。
ほんとに短い時間だったけど、一年生の時に実は同じクラスだったんだ。
実は、中学校生活すごく楽しみだった。
新しくできる友達もだけど、部活はどんなことをしようとか、小学校とは全然違うじゃん?
でも、その時には癌を患っていた。
運動も厳しいから、運動部に入る事はできないし、そもそもまともに授業を受けられるかも怪しかった。
正直、すごく辛かったよ。
でも、クラスに友達ができて、その子達に悲しまれる方が絶対辛いから、クラスから除名してもらって保健室登校になったんだ。