もっと、キミと
美華side
☆☆☆
葬儀が終わり、樹くんのお母さんから預かった手紙を部屋で読み、せっかく書いてくれた手紙の文字がどんどん滲んでいった。
彼から貰う最初で最後の手紙なんだから、大事にしないといけない。
それなのにーー涙が、止まらない。
ずるい、ずるいよ。
こんな手紙を残して、勝手にいなくならないでよ。
いつもみたいに笑って、からかってよ。
こんなのーーあまりにも……。
きゅっと唇を噛み締めると、手紙にくしゃっとシワが寄った。
同時に、私の中で沸々と一つの決意が生まれた。