不器用さんと恋に落ちる。

私の好きな人

私には、中学生の頃からずっと好きな人がいる。

中学2年生の夏、私はマンツーマン授業の受けられる学習塾に通い始めた。

そこで出会ったのが藍原先生。

長身で、勉強を教えるのが上手で、よく褒めてくれる。

気付いたら好きになっていた。

10歳年上の先生から見たら私は子どもで、ただのいち生徒だと思う。

だけど、それでも私は藍原先生のことが好きだ。



『……藍原先生には、塾長から伝えてください』



受験が出来ず、灰椿高校に入学することが決まったときは、藍原先生に合わせる顔がなくて電話で伝言を頼んだ。

だから、入試前日の塾で会って以来、一度も会っていない。

先生、元気にしてるかな…。
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