不器用さんと恋に落ちる。

黒月くんとの距離

今日は月曜日。…黒月くんに会うの、なんかちょっと気まずいかも…。私、大泣きしちゃったし…。

でも、会ったらちゃんと、ありがとうって言わなきゃ。たくさん慰めてもらったもん。

そんなことを考えながら歩いていたら、教室に着いた。

私の前の席を見ると、黒月くんが既に座っている。



「…あ、おは…」



挨拶をしかけたけど、黒月くんに目をそらされてしまった。

なんか…避けられてる…?

もしかして嫌われた…?

めんどくさい女って思われた…?

……………

キーンコーンカーンコーン…

結局、一言も話せないまま下校時間になった。

帰りのHRが終わると同時に、黒月くんは教室から出て行ってしまった。

慌てて支度を済ませ、大きな後ろ姿を追いかける。
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