不器用さんと恋に落ちる。
あれから数日。私たちは一緒に学校に行くようになった。

黒月くんは毎日、私の部屋のドアの前で待っててくれてる。

全身鏡の前に立ち、いつもより5㎝くらいスカートの丈を短くしてみる。

さらに、薄いピンク色のリップを唇に乗せてみた。

黒月くん、気付いてくれるかな…。

わくわくとドキドキが混ざりながら、ドアを開けた。

ガチャ



「おはよ。待っててくれてありがと」

「おう。…なんか、いつもと雰囲気違くないか?」

「いつもよりお洒落してみたんだけど…どう、かな…」

「似合ってる。……………可愛い」



慣れない甘い言葉に心臓が跳ねる。



「…行こーぜ」



ほんのり耳が赤くなっている黒月くんの後ろを歩いた。
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