不器用さんと恋に落ちる。
お母さんはずかずかと部屋に入ってきて、ベッドに腰掛けた。

仕方なく、隣に座る。

少しの間、沈黙が続いた後、お母さんが口を開いた。



「今日は、千世を連れ戻しに来たの」

「ちょっと、何言って」

「でも、気が変わったわ。ヤンキーだからって一括りにするのは違うわよね」



少し間をおいて、お母さんが続ける。



「黒月くん、だったかしら?…優しい人ね。彼と仲良くするのよ」



認めてくれたんだ、とほっとしつつ、嬉しくなる。



「うん」



お母さんの顔を見て、微笑んで答えた。
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