不器用さんと恋に落ちる。
呆然としていると、黒髪のヤンキーに話しかけられた。



「お前、ここで何してる」

「え…っと、入学式に参加しに来ました…」



しどろもどろになりながら答えると、驚いた顔をしている。

この学校の生徒だとは微塵も思ってなかったみたい。



「そうか…とりあえず、席座んぞ」



その人は気まずそうに言うと、ずらっと並べられたパイプ椅子の間を歩き出した。

慌てて後ろをついていくと、私の席は黒髪ヤンキーの後ろだった。
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