不器用さんと恋に落ちる。
黒月side

俺は天下無敵と恐れられている。一度も喧嘩に負けたことがないからだ。

自分より図体がでかい奴が相手でも、複数人が相手でも、絶対に勝利を収めてきた。

こんな卑怯な奴らから逃げるほど、俺は弱くない。

勝つのは必然だ。

旧体育館に足を踏み入れた瞬間、大勢のヤンキーたちに囲まれた。



「チッ、かわしきれねえ…っ」



100人以上のヤンキーたちが一斉に攻撃してくる。

さすがの俺でも相手にしきれず、捕らわれてしまった。手を縛られ、攻撃を受けることしか出来なくなっていると、入口の方から聞き馴染んだ声が聞こえた。



「黒月くん…!!」

「来んじゃねえ、小波…」



小波だけは、傷付けたくない。

腹を殴られて思うように力が入らない中、声を振り絞った。
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