不器用さんと恋に落ちる。

暗闇の黒月くん

2学期が終わり、冬休みになった。

すっかり暗くなった窓の外では、雪がちらついている。



「…わっ」



そろそろお風呂に入りに行こうかな、なんて考えていたら突然部屋が真っ暗になった。

どうやら停電したらしい。

暗い部屋にひとりでいるのなんか怖いな…。

ベランダにでも出てようかな。

窓を開けた瞬間、冷たい空気が流れ込んでくる。

白いサンダルを履いて、柵に寄り掛かった。



「…寒」

「……小波?」



ぽつりと呟いた数秒後、隣のベランダから仕切り壁越しに声がした。
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