不器用さんと恋に落ちる。
「お前、名前は?」
振り返り、椅子の背もたれに腕を乗せて聞いてくる。
何で名前聞いてくるんだろう…?目つけられたのかな…。
「…こ、小波千世です…」
「俺は黒月嵐。呼び方は何でもいい」
「…あ、うん…」
なんかさっきから、ずっと周りからじろじろ見られてる気がする。
目立ちたくないのに…。
黒月くん、有名人っぽいし、一緒にいたら余計に目立つよね…。
それにぶっきらぼうで怖い…。
黒月くんの後ろ姿を見ながら、あまり関わらないようにしよう、と思った。