不器用さんと恋に落ちる。
「…解散」
オリエンテーションを終えると、先生がため息交じりにそう残し、足早に去っていった。
終始周りがうるさくて先生の話はほとんど聞き取れなかった。
「はぁ…」
思わずため息がこぼれる。
クラスメイトたちが次々に教室を出ていく中、椅子に座ったまま、ぼんやりと考えごとをする。
そういえば、スーパーに行かないと今日の食料ないんだっけ。
冷蔵庫の中、水しかなかったもんなぁ。
重い腰を上げ、昇降口に向かう。