エリーの純愛~薬草を愛でる令嬢は拗らせた初恋を手放したい~
そんな二人の横では、ナタリーとダニエルが献上品を運ぶ役目をどうするか話し合っていた。
「大奥様はご無理をされないほうがよろしいかと」
「そうね。この身体で私が出向いて、ご迷惑をおかけするわけにはいかないわ。でも、式典があるわけでもないから、当主自らが出向くというわけにもいかないわよね」
「それでは、奥様にご協力をお願いするのはいかがでしょうか」
「そうね。テレーズさんなら安心だわ。そうしましょう」
途中から、二人の会話を聞いていたエリーにナタリーが説明をした。
「エリー、いつもは私が王妃様のもとへ伺うのだけれど、今回はテレーズさんにお願いすることにしたの。王妃様の体調面も心配だから、献上品について詳しく説明できるエリーにも同行をお願いしたいの。詳細はテレーズさんに送る手紙に記すけど、エリーからも王妃様に詳しい説明をお願いできるかしら」
「……私が……、王宮に?」
「エリー?」
言葉を詰まらせ俯くエリーを心配したのか、ナタリーはダニエルとステラに部屋を出てもらうことにしたようだ。
二人が部屋から退出すると、ナタリーはエリーをソファーに座らせて、自分もその隣に腰掛けた。
「……ごめんなさい。
お祖母さまが、体調を崩したという報せがきたとき、早く領地に行きたい……お祖母様のそばにいたいと思ったわ。でも、それだけじゃないの……。私、王都にいるのがつらくて逃げてきたの……」
「……そう」
「彼の…姿を見かけるだけで苦しくて、誰かと一緒にいるところを見たくなくて……。
子供の頃から、あきらめないといけないって……分かっていたのに」
「エリーの王子様ね」
「——!! お祖母さま……どうして?」
「大奥様はご無理をされないほうがよろしいかと」
「そうね。この身体で私が出向いて、ご迷惑をおかけするわけにはいかないわ。でも、式典があるわけでもないから、当主自らが出向くというわけにもいかないわよね」
「それでは、奥様にご協力をお願いするのはいかがでしょうか」
「そうね。テレーズさんなら安心だわ。そうしましょう」
途中から、二人の会話を聞いていたエリーにナタリーが説明をした。
「エリー、いつもは私が王妃様のもとへ伺うのだけれど、今回はテレーズさんにお願いすることにしたの。王妃様の体調面も心配だから、献上品について詳しく説明できるエリーにも同行をお願いしたいの。詳細はテレーズさんに送る手紙に記すけど、エリーからも王妃様に詳しい説明をお願いできるかしら」
「……私が……、王宮に?」
「エリー?」
言葉を詰まらせ俯くエリーを心配したのか、ナタリーはダニエルとステラに部屋を出てもらうことにしたようだ。
二人が部屋から退出すると、ナタリーはエリーをソファーに座らせて、自分もその隣に腰掛けた。
「……ごめんなさい。
お祖母さまが、体調を崩したという報せがきたとき、早く領地に行きたい……お祖母様のそばにいたいと思ったわ。でも、それだけじゃないの……。私、王都にいるのがつらくて逃げてきたの……」
「……そう」
「彼の…姿を見かけるだけで苦しくて、誰かと一緒にいるところを見たくなくて……。
子供の頃から、あきらめないといけないって……分かっていたのに」
「エリーの王子様ね」
「——!! お祖母さま……どうして?」