スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~
1.出会い
その日はたまたま祖母の家に立ち寄っただけだった。
約束をしていたわけでもなく、会社で祖母が好きな店の和菓子をもらったので食べさせてあげたいなと思っただけ。
それなのに――。
「倒れてから何分経ちますか?」
「苦しみだしてから20分、呼んでも目を開けなくなってから3分くらいです」
ストレッチャーで救急車に運ばれる祖母を瑠花は慌てて追いかけた。
人生初の救急車に乗り、祖母の回復を祈る。
脈拍を測りながら無線連絡をしている男性の腕には『救急救命士』のワッペンが見えた。
「今からアドレナリンを投与します」
「は、はい。お願いします」
時計を見ながら祖母の腕に注射をし、処置を行っていく男性の姿を瑠花はただ見ていることしかできない。
おばあちゃんを助けて。
お願い、神様。
病院の救急搬送口に着き、急いで救急車を降りる。
看護師さんに説明されながら病院の中へ。
気が動転していたせいか、ここまで祖母を運んでくれた消防士さんたちと、応急処置をしてくれた救急救命士さんにお礼を言うことを忘れていた。
それに気がついたのは、祖母が一命を取り止めたあと。
救急救命士の適切な処置のおかげだったと医師から聞かされた時だった――。
約束をしていたわけでもなく、会社で祖母が好きな店の和菓子をもらったので食べさせてあげたいなと思っただけ。
それなのに――。
「倒れてから何分経ちますか?」
「苦しみだしてから20分、呼んでも目を開けなくなってから3分くらいです」
ストレッチャーで救急車に運ばれる祖母を瑠花は慌てて追いかけた。
人生初の救急車に乗り、祖母の回復を祈る。
脈拍を測りながら無線連絡をしている男性の腕には『救急救命士』のワッペンが見えた。
「今からアドレナリンを投与します」
「は、はい。お願いします」
時計を見ながら祖母の腕に注射をし、処置を行っていく男性の姿を瑠花はただ見ていることしかできない。
おばあちゃんを助けて。
お願い、神様。
病院の救急搬送口に着き、急いで救急車を降りる。
看護師さんに説明されながら病院の中へ。
気が動転していたせいか、ここまで祖母を運んでくれた消防士さんたちと、応急処置をしてくれた救急救命士さんにお礼を言うことを忘れていた。
それに気がついたのは、祖母が一命を取り止めたあと。
救急救命士の適切な処置のおかげだったと医師から聞かされた時だった――。
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