スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~
 目が覚めた時には、もう時計は10時を過ぎていた。

「おはよう」
「お、おは、ようございます」
 朝からイケメンの爽やか笑顔には免疫がないので困る。

 準備された朝食は和食。
 私よりも絶対に料理が上手い。
 なんでお味噌汁がこんなにおいしいの?
 なんで煮物が3種類も?
 なんでごはんがツヤツヤなの?
 絶対私よりも高いお米を買ってる!
 炊飯器もいいやつでしょ?
 なんで焼き鮭に海苔付きなの?
 なんで、なんで? 私の女子力が低すぎるの?

「あ、もしかして朝はパン派……?」
「いいえっ! 時間がなくてパンで済ませているだけで、すごくおいしいです」
「よかった」
 こんなにたくさん食べきれないと思っていたが、蓮の食べる量はすごかった。
 合コンのときはあまり気がつかなかったけれど。

「むちゃくちゃ食べるから驚いた?」
「あ、いえ。その、……少し」
「消防士は体力が必要だから」
「救急救命士って消防士なんですか?」
 なにもわかっていないド素人な質問だったが、蓮は丁寧に教えてくれた。

 救急救命士は国家免許で、職種は消防だと。
 もちろん訓練も参加するし、応急処置できる消防士だと思ってもらえればいいと教えてくれた。

「緊急の呼び出しもあるし災害が起きれば泊まり込みだし、なかなか自由な時間がないけれど」
「もしかして昨日遅れてきたのは……」
「休みだったが急遽呼び出されて」
 蓮はジッと瑠花を見つめる。

「でも、昨日は行ってよかった」
 そんな言葉を言われたら勘違いするでしょう?
 そんな笑顔を向けられたら、私に会えたから? なんてありえないことを言ってしまいそうになるでしょう?
 瑠花は火照った顔を隠すことができないまま、おいしい朝食をいただいた。
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