スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~

2.再会

 祖母が退院してからあっという間に二ヶ月も過ぎた。

 退院してすぐは、また倒れるのではないかと心配で頻繁に様子を見に行っていたが、あまりにも行くので「もう大丈夫だから来なくていい。次に来る時には彼氏と一緒においで」と言われてしまった。
 私が半年ほど前に彼と別れたことを知っているくせに、次の彼がいないことだってわかってるくせに。

 瑠花は付箋が張られた雑誌の記事とノートパソコンの画面を見比べながら溜息をついた。

「るっちゃん~! 今日の夜ヒマ?」
 いつもよりも気合いが入ったメイクをした芽依の姿を見た瑠花は、今日は合コンだなと察する。

「お願い、お願い! ユミちゃんが風邪ひいて行けないの~!」
 顔の前で合掌しながら、芽依は今日の相手は公務員だと瑠花に話した。

「……でも」
 今はまだ男性と付き合うつもりはないのに。

「ご飯食べるだけ! お願い、お願い!」
 必死な芽依に負けた瑠花は仕方なく「わかった」と答えた。
 着替えもないし、この地味なオフィススタイルのままで参加だけれど、逆に人数合わせだとわかりやすくていいかもしれない。

「相手には女性向け雑誌の記者って言ってあるから! るっちゃんだけ雑誌が違うけど大丈夫!」
「そんなことは心配してないよ」
 芽衣や合コン参加の後輩たちは有名な雑誌だけれど、私は少しマイナーな雑誌の担当だ。
 でもマイナーなおかげでたまに特集記事を書かせてもらえたり、自由に取材に行けるので実は今の部署を気に入っている。

 瑠花は気合いたっぷりな芽依や後輩たちと一緒に、最近できたばかりのダイニングバーへ向かった。

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