スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~
9.盗撮
「……これ」
蓮の本の中に入っていた雑誌と、瑠花が持ってる雑誌はまったく同じ。
これは3年前に瑠花がはじめて書いた記事が載っている雑誌だ。
偶然火災現場に遭遇し、消火活動をしている消防士さんたちの姿を写真に撮った。
取材はできなかったけれど、後日消防署に問い合わせをして写真の掲載の許可をもらえたのだ。
「どうしてこの雑誌を?」
女性向けの雑誌なのに。
手を洗った蓮はキッチンから本棚の前へやってくると、雑誌を手に取りパラパラとページを捲った。
「……俺」
「えっ?」
放水の消火活動をしている消防士を指差した蓮を、瑠花は驚きながら見上げる。
少し後ろからの角度で撮った写真は、防火帽で顔は見えないし防火服のせいで体型もよくわからない。
「瑠花が『みんなの安全を守ってくださってありがとうございます』って」
そういえば、写真を撮っていたら、風向きが変わって煙がこちらに来るかもしれないので離れるように消防士さんに指示された。
「そのあとに『消防士さんも怪我しないでくださいね』って笑ったんだ」
一目惚れだったと蓮は顔を赤らめた。
「おばあちゃんの時に初めて会ったんじゃ……」
「あの状況で不謹慎だけど、運命だと思った」
3年前、雑誌の編集先に問い合わせをしたが、記事についてお答えはできませんと断られ瑠花のことはわからなかった。
そしてわからないまま配置転換で今の消防署勤務に。
さすがにもう諦めようと思った時に、おばあさんが倒れて瑠花に再会でき、まだ諦めなくてもいいんだと思ったら合コンでまた会えたのだと、だから運命なんだと思ったと蓮は恥ずかしそうに答えた。
「だから、もう離したくないんだ」
3年も片想いだったと笑いながら蓮は雑誌を本棚に戻す。
「守るから。一生守るから隣にいてくれ」
「蓮さん……」
まるでプロポーズのような言葉に瑠花の顔は熱くてたまらない。
一生守るって……!
暴漢から助けてもらってからでも1ヶ月、付き合いはじめてから2週間なのに。
「返事は急いでいないから」
圧力鍋のプシュ―という音を合図に、蓮はキッチンへ戻ってしまった。
再び段ボールの本を本棚に並べていくが、どうしてもさっきの雑誌に何度も目が行ってしまう。
隣に……?
キッチンに立つ蓮を思わず瑠花は見つめる。
たくましくて、料理もできて、気が利いて、優しくて、こんなすごいところにすぐ引越ししてしまうくらい行動力があって……。
スパダリでは?
こういう人をスパダリって言うんでしょう?
そんな人が3年も私に片想いなんて信じられない。
夕食のあとは二人でカーテンや家具を探した。
「この黄色とオレンジが可愛いけれど、派手かな」
「瑠花の気に入ったものでいいよ」
本当は店で見たかったけれど、できるだけ外出は控えた方がいいと正臣と凛に言われたので、インターネットで探すことにした。
「サイズは……メジャーってどこに……」
立ち上がり、カーテンを開けようとした瑠花の手を蓮が止める。
「……蓮さん?」
手が震えている?
カーテンを開けられたくない?
一瞬、高所恐怖症なのかと思ったが、前の蓮のマンションは10階だったしカーテンも開けていたからおそらく違う。
「メジャーは……どこにしまったっけ。ちょっと借りてくる」
「あ、急いでいないから明日でも」
引き留める瑠花を避けるように急いで出て行ってしまった蓮の後ろ姿を、瑠花は見つめた。
蓮の本の中に入っていた雑誌と、瑠花が持ってる雑誌はまったく同じ。
これは3年前に瑠花がはじめて書いた記事が載っている雑誌だ。
偶然火災現場に遭遇し、消火活動をしている消防士さんたちの姿を写真に撮った。
取材はできなかったけれど、後日消防署に問い合わせをして写真の掲載の許可をもらえたのだ。
「どうしてこの雑誌を?」
女性向けの雑誌なのに。
手を洗った蓮はキッチンから本棚の前へやってくると、雑誌を手に取りパラパラとページを捲った。
「……俺」
「えっ?」
放水の消火活動をしている消防士を指差した蓮を、瑠花は驚きながら見上げる。
少し後ろからの角度で撮った写真は、防火帽で顔は見えないし防火服のせいで体型もよくわからない。
「瑠花が『みんなの安全を守ってくださってありがとうございます』って」
そういえば、写真を撮っていたら、風向きが変わって煙がこちらに来るかもしれないので離れるように消防士さんに指示された。
「そのあとに『消防士さんも怪我しないでくださいね』って笑ったんだ」
一目惚れだったと蓮は顔を赤らめた。
「おばあちゃんの時に初めて会ったんじゃ……」
「あの状況で不謹慎だけど、運命だと思った」
3年前、雑誌の編集先に問い合わせをしたが、記事についてお答えはできませんと断られ瑠花のことはわからなかった。
そしてわからないまま配置転換で今の消防署勤務に。
さすがにもう諦めようと思った時に、おばあさんが倒れて瑠花に再会でき、まだ諦めなくてもいいんだと思ったら合コンでまた会えたのだと、だから運命なんだと思ったと蓮は恥ずかしそうに答えた。
「だから、もう離したくないんだ」
3年も片想いだったと笑いながら蓮は雑誌を本棚に戻す。
「守るから。一生守るから隣にいてくれ」
「蓮さん……」
まるでプロポーズのような言葉に瑠花の顔は熱くてたまらない。
一生守るって……!
暴漢から助けてもらってからでも1ヶ月、付き合いはじめてから2週間なのに。
「返事は急いでいないから」
圧力鍋のプシュ―という音を合図に、蓮はキッチンへ戻ってしまった。
再び段ボールの本を本棚に並べていくが、どうしてもさっきの雑誌に何度も目が行ってしまう。
隣に……?
キッチンに立つ蓮を思わず瑠花は見つめる。
たくましくて、料理もできて、気が利いて、優しくて、こんなすごいところにすぐ引越ししてしまうくらい行動力があって……。
スパダリでは?
こういう人をスパダリって言うんでしょう?
そんな人が3年も私に片想いなんて信じられない。
夕食のあとは二人でカーテンや家具を探した。
「この黄色とオレンジが可愛いけれど、派手かな」
「瑠花の気に入ったものでいいよ」
本当は店で見たかったけれど、できるだけ外出は控えた方がいいと正臣と凛に言われたので、インターネットで探すことにした。
「サイズは……メジャーってどこに……」
立ち上がり、カーテンを開けようとした瑠花の手を蓮が止める。
「……蓮さん?」
手が震えている?
カーテンを開けられたくない?
一瞬、高所恐怖症なのかと思ったが、前の蓮のマンションは10階だったしカーテンも開けていたからおそらく違う。
「メジャーは……どこにしまったっけ。ちょっと借りてくる」
「あ、急いでいないから明日でも」
引き留める瑠花を避けるように急いで出て行ってしまった蓮の後ろ姿を、瑠花は見つめた。