スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~
夕日が眩しいオフィス街の歩道で、蓮はスマホを眺めながら瑠花を待った。
『ごめんね。もうすぐ終わるからね』
『急がなくていいよ』
辺りが騒がしくなり、選挙カーの声が聞こえ始める。
その候補者の名前を聞いた蓮は道路を睨みながらスマホが折れてしまうのではないかと思うほど強く握りしめた。
「きゃぁっ」
「うわぁっ」
声に驚いた蓮が振り向くと、自転車で転んだ男子高校生と大きなカメラを持った女性の姿が見えた。
状況的には角を曲がってきた自転車が、女性とぶつかりそうになったというところだろうか。
「危ないじゃない!」
「す、すみません」
「ちょっと待ってなさい! いいわね! 逃げるんじゃないわよ!」
女性は高校生を睨みつけると、道路の方へ。
道路に向かって大きなカメラを構える女性を横目に、蓮は転んだ高校生に近づいた。
「大丈夫か?」
「は、はい」
そう返事をしているが高校生は立ち上がる素振りがない。
蓮が足首を触ると、高校生は「うっ」と声を上げた。
「靴を、靴下も脱がすぞ」
脱がす間もうめき声をあげる高校生の顔はかなりつらそうだ。
「鞄を開けてもいいか?」
蓮は自転車の前籠から飛び出した高校生の鞄からコンビニ袋と縦長のスケジュール帳を取り出す。
足首にスケジュール帳を固定するようにコンビニ袋を巻き付けると、靴下を鞄にしまった。
「できるだけ動かさない方がいい。誰か迎えに来てくれる人はいるか?」
「あ、はい。大丈夫です」
「気を付けて帰れよ」
「ありがとうございました!」
蓮は高校生に応急処置をすると、瑠花のオフィスの方へ。
ちょうどオフィスの自動ドアから出てきた瑠花を見つけた蓮は微笑んだ。
「おつかれ」
「遅くなってごめんね」
ごめんねポーズをする瑠花が可愛すぎる。
今すぐキスしたい衝動を抑えながら、蓮は瑠花の手をギュッと握った。
「夏服、見に行くか」
「いいの?」
「通販ばかりじゃつまらないだろ?」
すぐそこの店だけどと蓮は駅の上の商業施設を指差す。
「あそこの三階にね……」
嬉しそうに行きたい店の場所を話す瑠花と、じゃあ行こうと微笑む蓮の後ろで、カシャッとカメラのシャッターが切られる。
この時、私たちは大きなカメラで撮られていることにはまったく気付いていなかった。
『ごめんね。もうすぐ終わるからね』
『急がなくていいよ』
辺りが騒がしくなり、選挙カーの声が聞こえ始める。
その候補者の名前を聞いた蓮は道路を睨みながらスマホが折れてしまうのではないかと思うほど強く握りしめた。
「きゃぁっ」
「うわぁっ」
声に驚いた蓮が振り向くと、自転車で転んだ男子高校生と大きなカメラを持った女性の姿が見えた。
状況的には角を曲がってきた自転車が、女性とぶつかりそうになったというところだろうか。
「危ないじゃない!」
「す、すみません」
「ちょっと待ってなさい! いいわね! 逃げるんじゃないわよ!」
女性は高校生を睨みつけると、道路の方へ。
道路に向かって大きなカメラを構える女性を横目に、蓮は転んだ高校生に近づいた。
「大丈夫か?」
「は、はい」
そう返事をしているが高校生は立ち上がる素振りがない。
蓮が足首を触ると、高校生は「うっ」と声を上げた。
「靴を、靴下も脱がすぞ」
脱がす間もうめき声をあげる高校生の顔はかなりつらそうだ。
「鞄を開けてもいいか?」
蓮は自転車の前籠から飛び出した高校生の鞄からコンビニ袋と縦長のスケジュール帳を取り出す。
足首にスケジュール帳を固定するようにコンビニ袋を巻き付けると、靴下を鞄にしまった。
「できるだけ動かさない方がいい。誰か迎えに来てくれる人はいるか?」
「あ、はい。大丈夫です」
「気を付けて帰れよ」
「ありがとうございました!」
蓮は高校生に応急処置をすると、瑠花のオフィスの方へ。
ちょうどオフィスの自動ドアから出てきた瑠花を見つけた蓮は微笑んだ。
「おつかれ」
「遅くなってごめんね」
ごめんねポーズをする瑠花が可愛すぎる。
今すぐキスしたい衝動を抑えながら、蓮は瑠花の手をギュッと握った。
「夏服、見に行くか」
「いいの?」
「通販ばかりじゃつまらないだろ?」
すぐそこの店だけどと蓮は駅の上の商業施設を指差す。
「あそこの三階にね……」
嬉しそうに行きたい店の場所を話す瑠花と、じゃあ行こうと微笑む蓮の後ろで、カシャッとカメラのシャッターが切られる。
この時、私たちは大きなカメラで撮られていることにはまったく気付いていなかった。