転校したらヤンキーに愛されまくった件
大丈夫だと言ったのに、川上は家の前まで送ってくれた。
もしかしたらさっきみたいなことが起こるかもしれないと、川上なりに心配してくれたのかもしれない。


「今日はほんとにありがと。気をつけて帰ってね」


「あぁ」


「あのさ、1つ聞いてもいい?」


「ん?」


「最初に会った時、なんで私のこと総代に紹介しようとしたの?そういう決まりなの?」


「あー。女作れって、圭哉(けいや)が言い出したことなんだよ。俺が鳳仙の総代を継ぐ条件。あ、圭哉は今の総代」


なるほど。そういうことだったのか。
それなら、あの強引な声の掛け方にも納得がいく。


「やっぱりさ、総代って憧れるものなの?」


「トップにならなきゃ通せない筋ってもんが ある。守れねぇもんも。俺はもう、自分のせいで仲間が傷つくのはごめんなんだよ……」


川上はまるで誰かを思い出しながら寂しげな顔をした……。
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