転校したらヤンキーに愛されまくった件
どれだけ考えても、あんなにしつこかった川上が、突然気を変えた理由が分からなかった。
理由が気にならないと言えば嘘になるけど、逃げ回っていた私が本人に聞くのもなんか変だし。
この学校で唯一生徒が誰も寄りつかない図書室で、私はずっとモヤモヤしていた。


「難しい顔してるね」


「堀越くん⁉︎」


「勇征でいいよ。俺も一花って呼ぶから」


「じゃあ、勇征」


「隣いい?」


「うんもちろん」


堀越くんは私の隣に座った。


「大我のこと考えてた?」


「うん……あんなに毎日付きまとってきたのに、いきなりどうしたんだろう」


「そうだねぇ……」


勇征は事情を知ってそうな反応だった。


「勇征は理由知ってるの?」


「まぁね……そういえばこの前、一花絡まれたんだって?」


「そう。助けてもらったからなんともなかったんだけど……え、まさか⁉︎」


勇征はニコニコしながら頷いた。
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