転校したらヤンキーに愛されまくった件

2人だけの特訓

総代の嫁になってだいぶ経った。
みんなの顔と名前も少しずつ一致して、私も少しは総代の嫁らしくなれたと思ったんだけど。
唯一、認めてくれない人がいた。


「お疲れ様。これ良かったら食べない？」


私が棒付きキャンディーを見せたのは、粕谷くん。
文句を言いつつも、一応私の護衛として今週は近くにいることが多い。


「……物で釣ろうとか安直すぎ。そんなことしてもムダだから。アンタのことは認めないって言ったじゃん」


相変わらず当たりがキツイ。


「もちろん、そんな簡単に認めてくれるとは思ってないよ」


「へぇ、開き直るんだ」


「今日はお願いがあってきたの。私に喧嘩のやり方を教えてください！」


「はぁ⁉︎ふざけてんの？俺弱い奴嫌いだから」


「そこをなんとか……」


「そういう無駄な努力する奴が一番ムリ」


本当に私のことが気に入らないらしい。
好かれるまではいかなくても、もう少し打ち解けたいというのが本音だ。
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