うちのペットのマルとモカ
ところで、ひなたには片思いの相手が居た。
名前を片瀬修という。
修は、かっこよく、優しく品行方正で、色んな女の子から人気があった。
修としてはその中でひなたが一番好きだったのだが、まだ告白する予定はなく。
同じクラスの修は、突然現れたマルとモカを見て、うーんと複雑な顔をしていた。
休み時間になって、修の前に突然マルとモカが現れた。
「ちょっと。」
「何?」
修が聞いた。
「調子良いんじゃない?女の子ばっかと釣るんで、あげくうちのひなたまで侍らせて。」
「ムカつくんだよね。お前みたいな奴。」
モカが言うと、伏し目で自分の爪を見た。
「はあ?。お前ら、何言ってんだよ。」
修も修で、そう言い返すと。
マルは修の机を思い切り蹴りつけた。
「感じわりいんだよ。けじめつけないで遊んで。」
「僕もそう思う。言っとくけど、ひなたはお前じゃねーよ。」
「二人とも!」
騒ぎを聞きつけたひなたが駆け付けると、マルは一気に良い子のフリを始め、モカは無関心に欠伸をした。
「ごめんね、うちのペットなの」
「はい?」
「ペットじゃない。もう僕らは。」
ひなたが二人を抱き寄せて連れて行こうとすると、マルが修に向かって口を開いて付け足した。
「大嫌え、お前」
モカは修に向かってべっと舌を出した。