うちのペットのマルとモカ
ペット達は成績優秀だった。
マルは漢字や歴史が得意だったし、モカは数学の天才だった。
一つ一つ先生に褒められてから、マルは修の方を向いて言った。
「まあ、僕はこんな所かな」
モカも先生に褒められた時、修を横目でチラリと見て鼻を鳴らした。
夕飯の時支度をして食べ始めたひなたとマルとモカ。
「今日もまた片瀬くんにいちゃもんつけたでしょう。飼い主に謝りなね。ごめんなさいって。」
ひなたが言うと、マルが言った。
「協定。もう僕らはペットじゃない。忘れてるよ、ひなた。」
「今の僕に爪が無いのが僥倖だね。」
モカが言って、鍋の肉を取った。
「僕はあいつは許せないんだ。二番目にお前が嫌だけどな。」
「僕も二番目に邪魔なのはお前だ。女の子とばっかり居る男なんて、ろくでなしに決まってる。」
マルが鍋の人参を取りながら、そう決めつけた。
「片瀬くん、良い人だと思うけどな。」
ひなたが言うと、マルとモカは目を釣り上げた。
「僕達が居るのに、他の誰かを好きになるなんて、どうかしてる。」
マルが言った。
モカは、全然どうでも良くなさそうに、
「ま、良いけどね」
と不貞腐れた顔で呟いた。