運命かもしれない。

4:怒ったかもしれない。

「、、、ってことがあったのよ!

「ふーん。よかったじゃん、碧」


私はさっちゃんに、昨日コンビニで加藤くんに会ったことを話していた。ジャンサンに負けた自分をほめたい気分だ。


うわさをすれば、加藤くんが教室に入ってきた。
は一、本当に最高の『推し』だわ~!


「は?推し?」

「あれ、また声に出てた?」


なぜかさっちゃんは長いため息をついて、「自覚なしか、、、」と言った。どうしたのだろうか。


私がそうきこうとしたと同時に、HRのキャイムが鳴った。


「やば、私自分の席もどるね」


バイバイとお互い手を振ると、私は加藤くんを意識する。切れ長な目が、しっかりと担任を見ている。



私は、その瞳の中に映っているのかな、、、



そんな自分の考えに驚き、苦笑した。


「聞いてんのが一、森谷。お前図書委員だろ」

「えっ!あ、すみません、、、」

「ったく、放課後、二人は図書室集合。今度からちゃんと話きけよー」

「あはは。さーせん」


みんなにクスクスと笑われて、すごく恥ずかしい。


「加藤も、よろしくな」

「はい」


その言葉に私は肩を震わせる。そう、私は半ば強引に加藤くんの希望した図書委員会に入っていたのだ。


私、最近幸せすぎかも。
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