運命かもしれない。

最終章:やっぱり、運命の人だ。

「なーにその話!みどりが大人な階段上ってるんだけど!」

「ちょ、そんな上ってないし!それにキ、キスだけで付き合ったとかじゃないし、、、」

「あれ、推しだったんじゃないの〜?」


さっちゃんは本当、恋愛の話になると性格が変わる。


昼休み、私はさっちゃんと昨日の話をしていた。


確かに今までは眺めてるだけで満足していた。それを尊いと言うのだろうか。その尊い対象は、世間では『推し』と呼ばれていたから、私もそう呼んでいた。


でも今は違う。加藤くんは紛れもなく『好きな人』なんだ。


恋とか愛とか。今まで無縁だった私は、この状況にすらドキドキしてしまう。


私はチラッと加藤くんを見る。キスだけで好きや付き合って、愛してるなんて全く言われなてないので、今私たちはどんな関係なのかがわからない。


「ね、森谷さん」

「はいっ!」

「今日一緒に帰らない?」

「は、はいっ!」

「やった」


あれ、今私、さらっとすごいこと誘われた?
前の席ではさっちゃんがニヤニヤしている。思わず私はその綺麗な額にデコピンをした。


「痛ぁ!碧は恥ずかしいとすぐ何かに当たる」

「人聞きの悪いこといわないでよ〜!」


でも確かに、顔は熱いけどっ!
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