花系男子はアナタっ子
サルビアとアルストロメリア
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翌日──昨日と同様に、私は早めの登校をして、ジョウロに水をためていた。
少し寝坊したせいで、焦っている。
水やりと一言で言っても、場所が違うから。
「……何で寝坊したかなぁっ、ぎりぎりになっちゃいそう」
いそいそと走り、ジョウロの水が私の歩いてきた所だけ溢れてしまった。
──気にしない、気にしない。
花に水をやり、まんべんなく行き渡ったのを確認すると、ジョウロを戻すついでに少しばかり他の花を見渡してみる。
「……校長先生すごいや」
わたしが綺麗にするから、って言ってたけど本当に何事もなかったみたいに、散った花も垂れてる花も一切見当たらない。
全部が全部見えてるわけじゃないけど、探せないもの。
──校長先生の花への愛情は凄い。
中腰になっていた姿勢を戻して、伸びをすれば校長室からこちらを見下ろす校長先生と目が合ってしまった。
「……っ!?おはようございます!」
聞こえないだろうけど、反射的に頭を下げ挨拶をする。
顔を上げれば、微笑みながら手を振ってくれた先生。
──やっぱり優しいなぁ。びっくりしたけど……