花系男子はアナタっ子
*花系男子と林間学校*
仲良く
暑い季節が過ぎ、学校生活を過ごすには適温な毎日。
この季節になると訪れる私たちの学園での行事がある、のだけど──
「……何これぼくやだ行きたくない」
配られた『林間学校のしおり』を見た夢莉くんは、うなだれる。
ぽいっとしおりを机に放ったのを見て、帰り支度をする私に横から抱きついてきた。
「山登りとか、やーだー疲れる。誰かおんぶしてくれないかなぁ。……蒼葉とか蒼葉とか蒼──」
「断るに決まってんだろ。どこにそんなお人好しいんだよ」
「ぶぅー」
だるそうにしおりに目を通していた蒼葉くんがあからさまに夢莉くんから目をそらすと、夢莉くんは口を尖らせた。
「はぁ……」
珍しく千莉くんがため息をついた。
──双子は林間学校に乗り気じゃないのかな。……蒼葉くんもだろうけど。