花系男子はアナタっ子
あ、そろそろ私たちの班も出発──


「……じゃあ、こっちはなんだよ」

「げっ!!」


こっち?
蒼葉くんと夢莉くんが私の後ろを指すから、振り向いてみれば、にこにこと笑う黄色頭の子が居た。


「え、太陽くん?何でここに?」

「僕らの学年はともかく、一年の男子はそれなりに居るはずだよね?」

千莉くんが、しおりを見ながらそう言うと、蒼葉くんは呆れたように呟いた。

「……さては、無断で抜け出してきたな」


「おっ、ご名答でっす!オレだけ別なんて寂しーし……すみれと居た方がやる気もみなぎるし!一石二鳥にも三鳥にもなるから!」


「えっでも」

すでに一年生は出発してるし……先生に一応ことわりをいれた方がいいんじゃ?

「ほっとけ。後々怒られんのはこいつだけだ。行くぞ」

程よく強めにリュックごと叩かれ、私たちは橙果くんと、太陽くんと共に行動することになった。
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