花系男子はアナタっ子

『女子ー着替え終わったー?廊下さみぃんですけどー?』

廊下で着替える男子たちの声に、うわさ好きの子達が急いで着替えれば、男子がぞろぞろと教室へ入ってくる。


「すみれーっ……寒かったよー。はやく冬終わらないかなぁ。ぼく、きょくたんに暑いのと寒いのキライ」

男子は外でサッカーだから、寒いよね。
抱きついてきたのを受けとめると、夢莉くんそのまま机にバッグを放る。

席替えをして、夢莉くんは私の前の席。
千莉くんは夢莉くんの隣で、蒼葉くんは私の後ろ。ちなみに私の隣は仲の良い友達。

なりたい人と班になれるよう、アンケートをとられこうなった。

「本当に寒かった。体育は嫌いじゃないけど、僕も中の競技がいいな」

千莉くんは、夢莉くんの背中にまわる私の手をつかみ握る。……夢莉くん私たちにはさまれちゃった。

「あったかーい」

本人は嬉しそう。
……千莉くんの手、すごくヒンヤリ。

「二人ともお疲れ。蒼葉くんも」

「ああ……」

蒼葉くんもそれなりに寒かったんだろうな。手袋、まだしてる。
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