花系男子はアナタっ子


──夜、お母さんたちがリビングから出た時、外に戻る橙果くんを見送ろうと窓を開ける。


「また明日ね、橙果くん」

「うん……またね、と言いたいところなんだけど、実は一つ気になってることがあるんだ。聞いてもいいかな」

「うん?」

「太陽くんが枯れそうって言ってたこと。……すみれちゃん、気にしてるようだったから」

気のせいだったらごめんね、と橙果くんは言った。

──図星すぎて、ただ頷くことしか出来ない。

「やっぱりそうか」

「うん……なんか、林間学校のことがあるこら、一人で残る太陽くんのこと考えると、なんとか出来ないかな、ってつい思っちゃって。二年生だけって規則はあるけど」

「……そうだなぁ。太陽くんには来年があるけど、君の悩み、僕に任せて欲しいんだ」

「え?任せる?」

どういうこと?と、聞く前に、橙果くんは窓を閉めて出て行ってしまった。
窓の外で笑顔で手を振るものだから、振り返すけど……

橙果くんのことだから、何か解決策でもあるのかな──
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